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コーヒーの話 coffee-talk

京都とチンパンジー

2022.10.02

情報伝達が究極に発達した現代であるからして、レトロな当店にも一丁前に「スタッフLINE」が存在する。

主に、閉店後に行われている焙煎に関連する情報のやり取りが多くて

「生豆がなくなりそう」とか「新しく仕入れた種類の豆焼いてみたから明日試飲してみよう」とか

そういう、ほのぼのとした連絡が深夜まで続く。

そういうのに興味がある方は、ぜひ当店のTwitterをフォローして頂ければと思います。

実は素気ないながら、大まかな焙煎状況を毎日発信しています。

通な人はこれを見て買いに来てくれているらしく、たまに「ビビッ!」と気配を感じています。

それで先日「チンパンジーがそろそろ終わりかも!」と焙煎中の社長から連絡がありました。

「チンパンジー」、皆さんはもうお飲みになられたでしょうか?

正式な名前は「タンガニーカ」と言います。

生産地はタンザニア、キリマンジャロと同じ国です。

穏やかで飲みやすく、ふくよかな味のストレートコーヒーなのですが

最大の特徴は「チンパンジーの住む森林保護活動」を支援しているコーヒー豆、ということ。

京都で売ってるコーヒー豆でチンパンジーの保護活動ができる。

もうピンと来ましたね!そうです!

親近感を覚えますよね!

覚えない??

じゃあちょっと、ここぞとばかりにお気に入りの本を紹介させてもらってもいいですか?

隙あらば語りたいと思っていたところなので……ちょうどいい……。

佐藤究『Ank:a mirraring ape(アンク ア ミラリング エイプ)』講談社

という本。これ書店の平積みで見つけまして。

あらすじを読めば「京都起こった原因不明の大暴動に挑む、霊長類研究者のエンタメ小説!」だという。

生来「京都特集」などというタイトルを見れば噛みつきたくなり

「京都が舞台の」と聞けば「余所者に何がわかんねん」とこき下ろしたくなる性格の悪さなので

京都暴動(キョートライオット)なんて文言を書かれた日には

「よう言うたもんや!!」と買って読むしかなかったわけです。

面白過ぎて二回分の休日が潰れた。

さて、この原因不明の京都暴動を引き起こした原因は、一匹のチンパンジーにありました。

それに挑むのが、亀岡に新しく設立される「霊長類研究所・KMWPセンター」に勤める主人公の霊長類研究者、鈴木望。

KMWP——京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト。

そこに連れてこられた一匹の大型類人猿、すなわちチンパンジー。名前は<ジュバC>。

彼は南スーダン共和国で密猟の被害に合い、野生動物保護のNGOに保護され

そして、亀岡のKMWPセンターへとやってきます。

<ジュバC>と鈴木望と、彼らを取り巻くさまざまな要因で、京都は未知なる暴動へ晒されることになります。

これが面白いのなんの!

あらゆる人にぜひ読んでいただきたい傑作でした。

ちなみに、当店は暴動に巻き込まれることなく無事でした。

暴動の起こる条件に基づいて、地図を広げて確認しました。

生き残った。

個人的には上京警察がコテンパンにやられてるシーンが大好きなのですが、語り出すと止まらないのでやめます。

本のタイトルにもなっている「APE(エイプ)」という言葉。

これは「霊長類」という意味らしいです。

で、チンパンジーと人類はめっちゃ似てると。700万年前までは同じだったと。

しかも、主人公は言うわけです。

「霊長類、ことチンパンジーの研究については、京都が一番の高みにある」と。

チンパンジーの保護活動に寄付金がいく生豆買ったよ!と言われた時に

私は「あ!」と叫んで、この本を引っ張り出してきたわけです。

京都とチンパンジー!

みんなに教えなきゃ!!

そういうわけで、チンパンジーの保護活動に寄付がいくコーヒー豆「タンガニーカ」販売中です。

店のインスタグラムがあるのはご存知ですか?

新しく入荷したコーヒー豆の詳細情報が掲載されたりしているので、よかったら確認してみてください。

ちなみにタンガニーカはこれ

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