コーヒーの木からコーヒーの実を収穫し乾燥や脱殻工程などコーヒーの実から種を取り出しコーヒー豆にする事を「精製」と呼びます。
精製方法は大きく2つプラス1に分けられます。

1)水洗式(ウォッシュド)実を収集後種を取り出し水で洗う方法
少し専門的には自然発酵の工程については、発酵させずにミューシレ―ジを機械的に取り除く方法もあり、発酵過程を通したものをフリーウォッシュド(Fully Washed)、機械的に除去したものをパルプドアンドデミューシレ―ジド(Pulped and Demucilaged)やセミウォッシュド(Semi-washed)と区別することもあります。

特徴は未熟豆や夾雑物を取り除き欠点の少ない生豆だけを選出する。
クリーンでさわやかな風味のコーヒーになります。

2)非水洗式(アンウォッシュド、ナチュラル)実を収集後乾燥工程を経て種を取り出す方法
ブラジルとエチオピア、イエメンでは一般的な方法ですが、それ以外の国では主に国内消費向けに作られています。
ウォッシュドに比べると簡素な方法ですが、乾燥日数が多くなります。乾燥した実を脱殻して、豆を取り出します。独特の香りや甘みがあるコーヒーになります。

特徴はやわらかな甘味を持った風味のコーヒーになります。
夾雑物や欠点豆(未熟豆、過完熟豆等)が混じりやすい。

その他)スマトラ式 水洗式と非水洗式の間の様なイメージ
コーヒーの実を収穫後乾燥しますが生乾きで脱殻し再度乾燥させます。
生豆はつぶれて不揃い、色はグリーン色でひと目でわかる特徴となる。
スマトラ島から出荷されるマンデリンとスラウエシ島のトラジャはスマトラ式です。

上記の方法が基本の方法でそこから創意工夫を凝らした方法が沢山作られています。
特に非水洗でのバリエーションが多く「ハニー(パルプドナチュラル)」「ワイニー」などは非水洗のバリエーションです。
下記に簡単に記載しますので興味のある方はお調べください。
パルプドナチュラル(Pulped Natural)はコーヒーの実をパルパーという機械にかけ、皮とパルプ質を剥いだのち、そのまま乾燥工程に入るものです。ミューシレ―ジは傷みやすいですが、通常のウォッシュドよりも甘味のある豆になる傾向があります。中米では、ミューシレ―ジをミエル、また蜂蜜(ハニー)のこともミエルと呼ぶので、パルプドナチュラルのことをハニーコーヒーと呼ぶ人もいます。ただ、ウォッシュドやナチュラルに比べると、パルプドナチュラルはあまり流通していません。
さらにミューシレ―ジを100%残したまま乾燥させる方法、ある程度機械でミューシレ―ジを取り除いて乾燥させる方法もあり、それぞれレッドハニーコーヒー、イエローハニーコーヒーなどと名付けられることもあります。

その他にも上記工程中に発酵させ独特の風味を持たす「嫌気発酵」と呼ばれるものがあります。
空気に触れずに発酵(果肉と一緒に入れて発酵)させワインの様なウイスキーの様な香りになります。

格付け(グレード)
収穫したコーヒーの木の実から種を取り出し乾燥した珈琲豆は大きさで分けられたり、栽培地の標高で分けられたりその他にも欠点豆の割合、夾雑物混入割合など国ごとに取り決めた方法で格付けを行います。
格付けにより順位が付けられた珈琲豆は格付け毎に分けられて輸出されます。
格付けの違いで価格は変わります。
格付けはグレートも呼び世界統一の基準はなく生産国が各々決めています。

ここまでが生産国のお話しでこの先は日本でのお話し

焙煎
販売店での作業は「焙煎」が主になります。
輸入された珈琲豆は商社を通じ当店に到着します。
品種や格付けを見てそれぞれに合わせて焙煎します。
焙煎した珈琲豆は単品で販売する「ストレート珈琲」と単品を混ぜて作る「ブレンドコーヒー」があります。
単品販売はしなくてブレンドだけに使う豆もあります。

焙煎度は本やネットでは細かく分けられていますがそれに合わせ焼いている分けではありません。
お店で販売するPOPなど説明の為に焼き上がった珈琲豆の色を説明するために使います。
焙煎は豆が美味しくなる温度見つけてその温度で焼きます。
自分が美味しいと思う味を追求します。
私なりの決め事は、追及する味は生産者(農園)が思う味を理解し沿わなければならないと考えています。
焙煎者はあくまで生産者の思いを消費者に繋ぐのが役目と考えています。

焙煎度合いは「中煎り」か「深煎り」でとらえます。
中煎りの中に浅煎りがあり深煎りの加減は豆毎の適正温度と豆の色付き具合で変わります。

ブレンド
ブレンドは「作りたい味をイメージ」しブレンドします。
ブレンドを作る事は大変難しい作業で簡単ではありません。
ストレート、ブレンドとも季節や年により味が変わります。
珈琲豆は1年を通じ同じ味ではなく収穫期や収穫してから出荷するまでの期間、収穫地により微妙に味が変わります。
年ごとに出来が違い味は変わります。

粉砕で味は変わる
挽く粗さで味は変わります。
粗く挽くとアッサリ味、細かく挽くと濃くなります。
ドリップの加減や器具により適正挽きめを探しましょう。